第53章 遊郭に巣食う鬼
杏「解毒薬が効かないそうだ。」
見れば解毒薬を用意したのであろう天元の嫁、雛鶴、まきを、須磨の三人が顔を顰めて泣いている。
炭「……そんな…、せっかく…!」
炭治郎がそう言った時、背中の箱の戸がギィッと音を立てて開いた。
炭「…禰豆子?」
トンッと地に降りた禰豆子は迷いない足取りで天元の横まで歩き、そして天元を燃やした。
杏「よもや!!!」
炭「禰豆子ッ!!」
伊「おっさん!!」
須「ギャアアアッ!!何するんですか誰ですか、あなた!!いくらなんでも早いです火葬が!まだ死んでもないのにもう焼くなんて!!お尻を叩きま」
天「ちょっと待て。」
皆が天元を振り返る。
すると天元の肌は綺麗に戻っていた。
天「こりゃ一体どういうことだ?毒が消えた…。」
それを見た嫁三人は息を呑んで目を見開き、そして抱き着いた。
天元と杏寿郎は説明を求めるように炭治郎を見る。
すると炭治郎は少し戸惑った顔をしながら口を開いた。