第48章 青い彼岸花の薬
杏「君も食べてくれ。一緒に食べよう!」
「で、ですが、」
菫が戸惑うと杏寿郎は箸を置く。
杏「君の膳を持って来てくれ。君と一緒でないと俺は食べない。」
「すぐに持って来ます!」
菫が慌てて部屋を出て行くと杏寿郎は笑い声を上げた。
杏「わっしょい!!」
「わっしょい…!」
杏「わっしょい!!」
「わっしょい!」
二人が仲良く朝餉を食べていると任務を終えた継子三人組が帰ってきた。
そして元気に響く声を聞いて顔を見合わせるとホッとしたように息を吐いたのだった。
杏「早く寝てくれ!!」
「で、ですが、今から買い物に行か」
杏「駄目だ!!!」
継子組から菫が寝ていないと聞いた杏寿郎は、慌てて菫を自室に押し込んだ。
菫はすぐに出ようとしたが杏寿郎が襖を開けさせない。
杏「買い物は昼から行けば良いだろう!君はもう寝てくれ!十分働いてくれた!」
杏寿郎は二日半寝たにしては体も頭もサッパリしている事に気が付いていた。
第一、薬を飲んだ時は隊服であった筈なのに今は浴衣なのも可怪しい。