第46章 再会
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蓮「お姉様!!!」
晴「菫!!!」
門の中に通してもらうと、重國と晴美、蓮華が屋敷の前で立って待っていた。
「お父様…お母様、蓮華……。」
菫はいざ家族を目の前にすると、嬉しさに緊張が混ざってしまって素直に喜べなかった。
魘夢が見せた悪夢を思い出し、『本当は許されていないのでは…。』と、どこかで思ってしまったのだ。
加えて一番恐れていた父親は菫の名を呼ばず、近寄っても来ない。
それを見た菫の表情は更に強ばり、蓮華と晴美から離れるとその場に膝をついて深く頭を下げた。
晴「菫!そんな事をする必要は」
「立花家に恥をかかせ、清水家の名に泥を塗り、」
蓮「お姉さまっ」
「それでも!迎え入れて欲しいと思ってしまう私をお許し下さい!!」
それは菫が初めて言った我儘だった。
晴美と蓮華は菫が予想と違った謝罪をした事に驚いている。
一方、杏寿郎は重國が自責から動けなくなっていた事に気が付いていた。