第44章 青い彼岸花
杏「青い彼岸花は君たちの目には魅力的に映るのだろう。だが余りにも非道徳的であり、そして無責任な行動だ。上手くいったと言っても証明が出来ない。この鼠も人を喰うようになったらどうするつもりだ。貴方は一人でこれを捕まえられるのか。」
その言葉に藍佑は返す言葉を失った。
しかし――、
杏「……これは予想外だったな。」
その鼠は陽に当てても死ななかったのだ。
藍「完璧な成功だ!仲間を襲ったこともない!こいつは凄い力を持ちながらも鼠の域を越えていない!超絶した力を持つ "ただの鼠" だ!!!」
「……………。」
菫は『これがもし鬼殺隊士に使えたのなら。』と思ってしまい、頭を軽く振った。
杏「俺も同じ事を考えた。非常に危険だが、上弦の鬼や鬼舞辻を斃すには今のままでは力が足りない。」
「杏寿郎様…。」
菫は声を掛けられて少し驚いた様に杏寿郎を見上げた。
俊彦は仲間と仲良くしている鼠を見て目を丸くしている。
菫も竹籠の中に目を遣った。
「…取り敢えず種を分けて貰えるか交渉してみましょう。お館様に判断を委ねるべきです。」
杏「うむ、そうだな。」
それから杏寿郎は種を分けて貰えないかと丁重に願い出た。