第44章 青い彼岸花
杏「鬼殺隊の指揮官様は特別勘の良い御方なんだ。蔵から青い彼岸花についての走り書きを見付け、菫さんの名から俊彦さんに辿り着き、そして花岡家の存在を知った。」
それを聞いた藍佑は口をぽかんと開けた。
藍「東京の…青い彼岸花についての走り書き…?それは…、」
そう呟くと藍佑は立ち上がり、ある一画の畳を剥がし始めた。
そして現れた穴の中に続く階段を転げそうな調子で下っていく。
藍「来て下さい!!」
杏「………。」
杏寿郎は部屋を見渡し、その家の至る所に血痕がある事を認めると、菫と俊彦から離れないように気を付けながら階段を下って行った。
(想像よりずっと広い…。)
菫は階段を下るとだだっ広い空間に目を丸くした。
藍「こっちです!」
菫はそう呼ばれると床に散らばった資料を漁る藍佑に近付いた。
(大事な物なのではないのかしら。きちんと整理すれば良いのに…。)
藍「こ、これ…!」
藍佑は箱の中に大事に仕舞ってあった酷く古い手記のようなものを杏寿郎に手渡した。