第44章 青い彼岸花
男「……キサツ隊…?」
杏「む、知っている訳ではないのか!」
杏寿郎はそう意外そうな声を出した。
杏「とにかく人間の味方だ!俺は悪い鬼を滅する事を己の責務としている!!」
男は杏寿郎の太陽の様な笑みを見るとその場にへたり込んでしまった。
―――
藍「私は花岡藍佑と申します。ここで麓の村人を診ている医者です。家族は皆他界しました。」
村人の男を帰し、四人は改めて話し合うことになった。
杏寿郎達三人は藍佑の自己紹介を聞いて顔を見合わせる。
杏「…青い彼岸花についてお聞きしたい。貴方の一族はその研究を行っている筈だろう。」
杏寿郎は単刀直入にそう訊いた。
藍佑は面食らい、俊彦は杏寿郎の性急さに戸惑った。
藍「あなたは…、本当に何者なんだ…。」
「何度も訊いてお手を煩わせないで下さいませ。悪鬼を滅殺する鬼殺隊の最高位の柱である煉獄杏寿郎様です。貴方が怯えている正体は私達鬼殺隊が討とうとしている鬼舞辻無惨の手下共、もしくは本人です。それなのに、あろう事か杏寿郎様をその様に怯えた目で見るなど」
杏「うむ!菫さんありがとう!!」
杏寿郎は菫を止めると再び藍佑に視線を移した。