第43章 対話
杏「では胡蝶の許しが出たらすぐお館様に無限列車の詳細報告をしてくるので、その後二人で君の家に…、」
そう杏寿郎が纏めようとした時、要が窓から入って来た。
杏寿郎が上体を起こすと要は杏寿郎の布団の上に行儀良く乗る。
要「翌朝、アマネ様ガ此方ヘイラッシャルトノ事!コノ手紙ハ立花殿ヨリ頂イタ!コノ調査ニツイテハ無限列車ノ詳細報告ト共ニ伝エニ来ルヨウニトオ館様ハ仰ラレタ!」
俊彦からだという文を解いていた杏寿郎は目を見開いて要を見つめた。
杏「あまね様がわざわざ此方にか。」
(お館様の…奥方様が直接……。)
菫は喉をごくりと鳴らした。
ただの隠である菫は勿論名前をやっと知っている程度だ。
(相部屋状態をどうにかして貰わないと。)
杏「翌朝いらっしゃるという事の他に情報は無いのだな。それに、名古屋の一件とはお館様が依頼なされた調査だったのか。」
杏寿郎は要に確認を取りながら俊彦からの手紙を開いた。