第30章 三人の新人
恋柱の甘露寺蜜璃、蛇柱の伊黒小芭内、霞柱の時透無一郎の三人の新入りが加わった柱合会議は、どことなく活気が増したように思えた。
耀「…では、一旦休みを取ろう。」
耀哉の声掛けに皆が返事をした後、場の空気が一気に緩んだ。
そして杏寿郎は片膝ついたまま口角を上げ、恒例の握り飯タイムに入る。
杏「八つ入って全て種類が異なるとは流石だな!!」
嬉しさ余ってそう大きな独り言を言った。
そこへ同じく腹ぺこの蜜璃が香りにつられて寄って来る。
蜜「師…、煉獄さん、そのご飯はどうされたんですか…?」
そうもじもじとしながら尋ねるも、『うまい!うまい!』と大きな声で言いながら食べている杏寿郎の耳には届かない。
そこへ更にしのぶがやって来た。
しのぶは女性仲間な上に可愛い蜜璃に早くも好感を持っていた。
し「このおにぎりは煉獄さんのお世話を担当している隠が作ったものですよ。」
そう教えて貰うと蜜璃はパッと花咲く笑顔を浮かべた。
蜜「そうなのね!ありがとう、しのぶちゃん!私もご飯を持ってくれば良かったわ…。」
蜜璃はそう言いながら涎を溢しそうになる。
その様子を見てしのぶが微笑んでいると、新入り仲間である小芭内が足を止め、新入りの動きが少し気になる実弥が振り返り、通常運転の天元が近寄っていった。