第30章 三人の新人
天「わーったよ。悪かった。」
そうして空気が落ち着いた時、今度は入り口から賑やかな声が聞こえてきた。
女「まさかまた助けられるなんて!」
女「やっぱりお館様のお屋敷は広いわ!」
女「柱になって間もないのは同じなのに伊黒さんはどうして迷わないのかしら!」
現れたのは桜色と若草色の髪の毛を持つ女の子とオッドアイの細身の男だ。
杏「甘露寺!!」
杏寿郎はパッと明るい笑顔を浮かべて女の子に声を掛けた。
すると呼ばれた女の子、もとい甘露寺蜜璃も杏寿郎を見付けて花咲く笑顔を浮かべる。
蜜「師範!!お久しぶりです!」
蜜璃はタタッと走り寄るとぺこりとお辞儀をした。
蜜「ご報告がお手紙になってしまってすみませんでした!甘露寺蜜璃、恋柱に就任致しました!」
そう言って蜜璃がふにゃっとした笑みを浮かべると、杏寿郎は最近の癖で頭を撫でそうになって固まった。
杏「…うむ!これからは柱同士、肩を並べて協力していこう!!」
杏寿郎がそう言いながら中途半端に上がった腕を引っ込めると、蜜璃は少し首を傾げてから『はい!』と元気良く返事をして他の柱にも挨拶を始めた。