第26章 逃避
天「おう!この天元様はその界隈では派手に名を馳せた忍だぜ!!」
杏「本当か!!今の時代にも忍はいるのだな!初めて見た!!」
天元は喜ぶ杏寿郎の頭を満足気な顔でわしわしと撫でた。
天「よし、反省会するぞ。まずお前は自分一人で何とかしようとする癖がついてやがる。ま、弱すぎる奴と組む場合はぶっちゃけそれで構わねぇんだが、頼れる相手の場合は上手く利用すんだよ。例えば…、」
そうして実践で、言葉で、杏寿郎は柱の戦いや柱同士の共闘の仕方、そして柱の在り方を学んだ。
天「…ってところだな。こんな機会はそうそうねぇ。ちゃんと物にしろよ。」
杏「うむ!ありがとう!君は面倒見が良い男なのだな!お館様が君を選んだ理由が分かった!!」
杏寿郎はそう言って嫌味の無いさっぱりとした笑みを浮かべる。
天元はそれを見て羨むように少し目を細めた。
―――
杏「只今帰った!!!」
その声のすぐ後、頭巾を被り直していたものの菫はいつも通り玄関までやって来て頭を下げた。