第24章 新たな協力者
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蓮「……本当に意識されていないのですね…。」
一通り菫の反応について聞いた蓮華は呆気に取られ、思わずそう呟いた。
杏「………。」
一方、実の妹、それも自身より二つも歳下の女の子にそう言われた杏寿郎は、感情の読めない笑みを浮かべている。
杏「…これから意識させるので問題無いだろう!」
そう前向きな言葉を発してみたものの、やはり脈無しである事を再確認してしまった。
蓮華は我に返って『申し訳ありません!』と謝ると、うんうんと唸って案を出そうとする。
杏寿郎は暫くそんな蓮華を見つめていた。
杏「君はどうして恋をしたのだろうか。」
眉を寄せて悩む蓮華に問い掛ける。
すると蓮華は少し固まった後、微笑みながら首を傾げた。
蓮「理屈じゃありませんわ。一緒に居て、笑顔を見て、声を聞いて、それに心が震えれば…それが恋なのだと思います。」
杏「…そうか!清水の心を震わせれば良いのだな!!」
それが難しいのだとは分かっている。
ただ、杏寿郎はそれが長い道のりであろうと道ならば迷わず進む。
目的に繋がっているのだと分かっていれば、前向きである事をやめない気概があるのだ。
蓮「それは…そうですが、」
杏「うむ!では清水の好みを聞きたい!まず花を贈りたいのだが、何色が好きなのだろうか!」
杏寿郎は戸惑う蓮華に基本的なものから細かなものまで様々な質問をした。