第24章 新たな協力者
蓮「お姉様が心奪われた理由が分かりましたわ…。」
そんな事を言われると、杏寿郎は笑顔浮かべながらも眉尻を下げる。
杏「…残念だが、彼女は俺を男として見ていない!いずれは必ず嫁に貰うつもりだがまだ先の話だ!」
蓮「え…、」
蓮華は無礼を忘れて杏寿郎の姿をまじまじと見つめた。
身長は百七十センチはありそうであったし、顔も目鼻立ちが整っていて惚れ惚れする容姿だ。
髪と瞳の色は派手で目立つが、顔立ちがはっきりとしている為に上手く馴染んでいる。
性格だって少し話せば好青年である事が容易に分かった。
蓮「……もしかすると、お姉様はそもそも恋心をよく理解していないのかもしれません。今はどのような間柄なのですか?」
杏寿郎は『異性にそういった感情を持てない。』と言った菫を思い出した。
杏「俺の屋敷の管理をして貰っている。そして、有り難い事だが、俺のことを慕ってくれている。…と言っても敬愛と呼ぶ類のものだがな!」
蓮「屋敷の管理…敬愛…。」
蓮華は視線を落としながらそう呟くと、再び杏寿郎を見つめる。
蓮「……屋敷にはご家族で?」
杏「いや、俺一人だ!因みに世話役も清水一人なので二人切りで生活している!」
それを聞いた蓮華は口を薄く開けたまま固まった。
そのような生活をすれば、いくらそこに男女の関係が無くとも他へ嫁に行けないと思ったからだ。