第24章 新たな協力者
蓮「なっ、馬鹿にし」
杏「していないぞ!!」
杏寿郎はさっぱりとした声でそう否定すると、再び静かな表情を浮かべる。
杏「だが、彼女の居場所は教えられない。」
蓮「……知ってはいらっしゃるのなら…お姉様は本当に獅子様の元へ行かれたのですね…。」
蓮華は杏寿郎が予想した反応と異なる気の抜けた表情を見せた。
その表情を見た杏寿郎は、蓮華が自身にそこまで敵意を持っていなかったのでは、と思った。
杏「今日は彼女に秘密で此方へ来た。彼女について知る為に。なのですまないが居場所までは勝手に教える事が出来ないんだ。」
その言葉に蓮華は少しだけ眉を寄せる。
蓮「秘密で…?こそこそとお姉様の素性を調べているのですか?何の為に?」
杏寿郎は姿勢を正して蓮華を真っ直ぐに見つめた。
杏「彼女を嫁に貰いたいと思っている!だが、彼女は結婚自体をする気がないそうだ。彼女の事情を知る者が協力してくれて『霞ヶ関へ行ってみてはどうだ。』と言ったので此方へ来た。そして、君に出会った。」
それを聞いて蓮華は漸く完全に杏寿郎への警戒を解いた。
蓮「お嫁に…。それは…、獅子様に申し込まれればお姉様は喜ぶ筈だわ。何故する気がないなんて事を、」
杏「喜ぶのか!!」
大きな声に蓮華は目を丸くした。