第24章 新たな協力者
杏「時間はあるが、俺はこの男についてまだ納得出来ていない。説明は聞けないのだろうか。」
杏寿郎はそう言って逃げないように腕を掴んでいる尾行男に目を遣った。
何も知らない蓮華は首を傾げ、護衛の二人の様子を見つめた。
護「…説明は、出来ません。」
蓮「私にも出来ないの?どなた?」
男「……。」
蓮華は三人の様子に眉を寄せる。
蓮「その御方も連れてきて。」
有無を言わせない空気に護衛達は項垂れつつ従った。
―――
蓮「手伝いは呼ばないで。持ち物検査もしなくて良いわ。」
護「しかし!」
表札の無い洋館の屋敷に入ってすぐの玄関で蓮華はそう言い放ち、護衛達を狼狽えさせた。
一方、背中に日輪刀を隠していた杏寿郎は表情を変えずに安堵の息をついていた。
蓮「先程も言ったけれど、私の命の恩人であり、私が信頼を置いている御方よ。この御方を疑うという事は私を疑うという事だと捉えるわ。」
そこまでハッキリ言い切られると護衛達はもう何も言えなかった。
杏「……。」
杏寿郎は蓮華の強引さに少し目を細めた。
杏寿郎達五人は程なくして蓮華が指定した部屋へ辿り着き、蓮華は護衛に『人が来たら追い払うように。』と命じて外に立たせると、杏寿郎と尾行男を席に座らせた。