第24章 新たな協力者
杏「彼女に説明しない理由とはどの様なものですか。後ろ暗い事が無ければ話せるでしょう。」
杏寿郎が食い下がると職務中である護衛の男は焦って眉を顰めた。
護「頼むから放っておいてくれ…!金なら払う!」
その対応に杏寿郎が眉を顰めた時、もう一人の護衛が『お嬢様、お待ち下さい!!』と叫んだ。
少女「何をしているの?」
声を掛けられた護衛は青くなった。
護「これは…、その、蓮華お嬢様には関係の無い事でして…、」
そう歯切れ悪く言う護衛を押し退け、少女、もとい蓮華が顔を出す。
杏寿郎の顔を見た蓮華の目は大きく見開かれた。
蓮「獅子様!!!」
杏「……俺を知っているのだろうか。」
あまりの食い付きに杏寿郎は目を丸くした。
蓮華は頷きながら、護衛に止められつつ興奮した様にきゅっと両手を握って拳を作った。
蓮「此処ではお話し出来ませんが、貴方にお伺いしたい事が山程あります!お時間がお有りでしたら屋敷へ来て下さいませ!」
護「お嬢様!!」
護衛は『信じられない。』といった顔をしていた。
しかし蓮華は決して譲らなかった。
そして、決定的な一言を発した。
蓮「このお方は私の命の恩人よ。無礼は私が許しません。」
それを聞いた護衛の男は眉を顰めながらも頭を下げて黙り、杏寿郎は以前自分が蓮華を鬼から助けたことがあるのだと悟った。