第22章 認めた感情
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「それではごゆっくりお休み下さいませ。」
日が昇り、鬼殺隊士達が眠る時間が来た。
杏「うむ!君も昨晩は寝ていないのだから無理をせずに休んでくれ。」
菫はその言葉に返事はせず、ただ深くお辞儀をした。
「蟲柱様、お仕事を下さいませ。」
しのぶは菫が自身の言葉に責任を持つ女性である事を熟知していた為、弱った顔をしながら振り返った。
し「…清水さん、最近は夜に睡眠を取られていたのでしょう。徹夜になってしまいます。今からでも寝て下さい。」
聞かないと分かりつつ、そう言ってみる。
菫は案の定首を傾げた。
「私の我儘を聞いて下さった蟲柱様のお役に立ちたいのです。お仕事を下さいませ。」
しのぶは溜息をつくと自室へ睡眠を取りに行く前に、菫を調合室へと連れて行った。
圭「菫!」
「圭太さん、お久し振りです。今何をされていますか?手伝わせて下さい。」
圭太は宣言した通り、秘密がバレてしまった直後に菫の性別を偽っていた事を謝罪しに杏寿郎の屋敷へ訪れていた。
そして薬草を届けに来なくなった菫とはそれ以来会っていなかった。