第5章 薬草調達の任務
「鬼殺隊、蟲柱様の遣いで参りました清水菫と申します。」
そう言って深々と頭を下げると少女はパッと目を輝かせて微笑んだ。
少女「菫様、どうぞ中へお入り下さい!」
「失礼致します。」
菫はもう一度頭を下げると家の中へと入った。
すると今度は夫婦と思しき男女が出てくる。
菫は再び頭を深々と下げた。
「初めまして。蟲柱様の遣いで薬草を買いに参りました、鬼殺隊の清水菫と申します。」
腰の低い菫を見て夫婦は慌てた。
女「まあ…頭をお上げ下さい。鬼殺隊の方にその様な事をさせてしまえば先祖に怒られてしまいます。」
菫はその時初めてここが藤の花の家紋の家である事を悟った。
と言ってもその家は決して大きくはない。
なので家に隊士を泊まらせることは出来ず、代わりに薬草を提供することで人知れず鬼殺隊に尽していたのだ。
「私も鬼殺隊の方に命を助けて頂いた者の一人です。私は鬼狩りを出来る隊士様ではありません。隠という裏方の仕事をする者です。藤の花の家として協力をして下さる方々と近いかも知れません。」
そう言うと少女が寄ってきて嬉しそうに微笑んだ。