第7章 両面宿儺に愛されたい
「俺は呪いの王だぞ。お前のような女を殴殺してきた。命が惜しくないのか?」
「…私を…殺すの?」
恐怖で足が竦む。
「お前が大人しく俺に抱かれれば、命は取らん」
「…分かった…でも…私…初めてで…」
「愛いやつだな。良い。来い」
手を差し出され、恐る恐る宿儺さんに近付く。
宿儺さんの手に私の手を重ねると、ぐいっと引き寄せられる。
後頭部に手を回されて、濃厚な口付けをされた。
“ちゅっ、くちゅっ、くちゅっ、ちゅっ”
「んんっ…はぁっ…んっ」
舌を絡め取られ、口内を犯される。
それが気持ち良くて私の身体は力が抜けてしまう。
カクンと膝から落ちそうになる私を、抱きとめる宿儺さん。
私を膝の上に座らせる。
「んっ…はぁっ…」
漸く唇が離れて、飲み込めなかった唾液が口の脇から流れる。
トロンとした目で宿儺さんを見つめた。
「お前は愛いな」
妖艶な顔つきで彼が笑う。
不思議と怖いとは思わなかった。