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【好きなキャラ短編集】MAD HEAD【R18】

第7章 両面宿儺に愛されたい





私は極平凡な女子高生で、幽霊やお化けなんて無縁の世界に住んでいた。


学校からの帰り道。

自転車を漕いでいると、制服の男の子を見かける。

私の住んでいる田舎には学校が3校しかない。



この辺の制服じゃない。

転校生とか?



親切心で声をかけたのが間違いだった。





「あの?もしかして迷ってます?この辺目印とかないんで」

「ああ?何だ?餓鬼か?」





話したのは彼ではなくて。

いや、彼なんだけど。


そうじゃなくて、彼の手には口があった。

その口が喋ったのだ。





「ひぁっ!」





びっくりして、私は自転車をひっくり返してしまう。





「ああ。悪い。この辺全然分かんなくってさ。グーグルマップとか通用しないね」

「…あの…その…手…」





私は恐る恐る、彼の手を指さす。





「ああ。ごめん。これ呪いでさ。たまに出てきちゃうんだ」

「…呪い?…」





悪意はなさそうな子だけど、怖いものは怖い。

私は数歩後ずさる。


 
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