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【好きなキャラ短編集】MAD HEAD【R18】

第6章 三ツ谷隆くんに愛されたい②


 


あのアバンチュール事件から1ヶ月近くが過ぎた。


私は何事もなかったように、日々働いている。


コピーを終えた書類を会議室に運ぶ。

途中、給湯室から女性社員の話し声が聞こえてきた。





「ねえ!ねえ!三ツ谷さん見た!?」

「見た!見た!」

「超イケメンッ!」

「ヤバイよねー!」





ん?

三ツ谷さん?



否応なしに、私の耳は反応する。


“三ツ谷”なんて珍しい苗字じゃないのに。

思わず聞き耳を立ててしまう。




「ウチみたいな会社の企画に加わってくれるなんて、ほんとラッキーだよね?」

「分かるー!」

「めっちゃカッコイイし、目の保養だよねー!」





そういえば、私が会った三ツ谷さんも素敵だったな。



あの夜のことを思い出す。



アホらしい。

もう二度と会うことなんてないのに。



仕事に戻ろう。



止めていた足を進ませようとした時だった。





「名前先輩っ!待ってぇっ!」





後輩の男の子が廊下を走ってくる。

私を呼び止める声は、酷く焦っていた。


 
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