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短編集

第3章 パンダ【呪術廻戦】


 もふっ。

「っと、大丈夫か?」
「ぱ、ぱんだくん……っ」

 簡潔に申し上げますと階段から足を踏み外して落ちかけた私(バカ)をパンダくんのもふもふのお腹がナイスキャッチしました。

 死ぬ! 死ぬじゃん私、死ぬ!
 背中と肩にパンダくんの手が!
 夢にまでみたもふもふパンダくんにダイブしてるんだけど待って息をして私、死ぬ、物理で。

「あやめは危なっかしいな」

 ハハって軽快に笑いながら私の体制を直してくれるパンダくんに名前を呼ばれてさらに死んだ。名前呼ばれた名前。


「あ、りがとう、ございます……っ」
「気をつけろよ」
「ハイ……」
「あやめさん、怪我とか平気?」
「うん、大丈夫……パンダくんのおかげでどこもかしこも無事です……」

 野薔薇ちゃんに聞かれてふと冷静になった。そして冷静になってみたら私恥ずかしすぎるだろうこれは、と思った。穴があったら入りたい。潜りたい。埋まりたい。

「じゃ、あやめさん、私たちもう行くから! 気をつけてね!」
「演習、頑張って……」

 3人が遠ざかっていく。ある程度距離が離れた途端、足の力抜けました。
 間抜けにもその場に座り込む私。うん、間抜けです。
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