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短編集

第3章 パンダ【呪術廻戦】


「あやめーそろそろ……って、何やってんスか」
「あ、明……」
「具合悪いンスか?」
「違うごめんそうじゃないの」
「まあ、違うなら良かったっスけど。ほら、立てるスか?」
「うん……」

 明の手を借りながらなんとか立ち上がる。生まれたての子鹿か、私は。

「で、何があったんスか? 遅いと思って来てみたらへたり込んでるなんて、何かあったんスよね」
「どうしよう、明」
「なに、」
「パンダくんにぎゅってされたっ!!」
「……良かったっスね」
「え」
「じゃ、ほら仕事行くっスよ」
「いや、他に聞くこと、」
「もたもたしない。ほら、歩いた歩いた」
「えぇ……」
「良かったっスね、夢が現実になって」
「……うん」
「今日の夜、五目あんかけ焼きそばよろしくっス! その時ぜーんぶ聞くっスからね」

 え、全部?!

「ちょ、明!」
「ほら早く行くっスよー」

 明に手を引かれて午後の仕事に向かう。私の顔、今へにゃへにゃなんですけど……。
 ていうか、しばらくもふもふ感消えないんですけど……。

 やっぱりパンダくん、好き……ってなった1日でした。
 
 私は補助監督の鵲あやめ。
 パンダくんにもふっとし隊を今日から名乗ろうと思います。
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