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同期の仲

第5章 傷





やっぱりこうなったかと思いうなだれる。水月は深手の傷を負い入院すると何故か病室から失踪する。本人も無意識らしい。失踪した事を覚えていないと。


行く場所は様々。自室、隊舎の庭、他隊の庭、雨乾堂、その辺の道、等々。確か一度、白道門の近くで倒れているのを門番の兕丹坊が見つけたこともあったな。どこも共通点があるような、ないような。


白雉を取りに行きがてら自室を見てみたが、やはり居ない。しょうがない、このまま捜すか。


霊圧を探ってみるが感じない。昔から隠れるのが得意だからな。今は魄動が弱っているからなおさら。


心当たりを捜すが見当たらない。途中会った海燕に事の詳細を話し、十三番隊で手の空いている隊員に捜索してもらうように頼んだ。


五番隊付近を通ると、隊舎の方が少しざわついている。何事かと思い足を運ぶと、五番隊副隊長の藍染惣右介に抱えられている水月がいた。


「水月!何故ここに!?」


叫ぶように声が出てしまい、藍染惣右介や五番隊の隊員達がこちらを一斉に向く。


「浮竹隊長。たまたま隊舎の庭に出ていた隊員が見つけまして。たまたま僕も近くに居たので」


庭の隅に居たのを隊員がたまたま発見し、たまたま近くを通った藍染惣右介。水月が病室から失踪したのを聞いた直後だったらしい。


「このまま四番隊へ行きますか?」


今の状態だと四番隊へ行くのが当然だが、再び失踪した過去がある水月を戻すのは賢明ではないだろう。


「否、十三番隊へ連れて行くよ。卯ノ花隊長には後で俺から連絡する。藍染副隊長、すまないがこのまま運んでくれないか?」


二つ返事で承諾してくれた。


十三番隊の隊舎へ入ると海燕と数名の隊員達が出てきた。あちこち捜してくれていたらしい。


隊舎の奥、あまり使われていない部屋へ布団等の準備をお願いすると散らばる隊員達。


藍染副隊長を案内するように先に進み部屋へ入ると既に布団一式と手拭いや水の入った桶が準備されていた。あまりにも早すぎではないか?


水月を布団に寝かせてもらい、藍染副隊長にお礼を言うと早々に帰ってしまった。忙しい最中お願いしたのは申し訳なかった。いつか平子隊長と五番隊にも礼をしなければ。


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