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同期の仲

第4章 初対面





──氷室水月──


報告のため十三番隊の執務室へ行けば海燕が居た。今日の浮竹は調子が悪いらしい。報告書を書いていると都がお茶とどら焼きを持ってきてくれた。一通り書き終わったら頂こう。


海燕が浮竹の元へと執務室を出て行った後だった。


遠くの方から騒がしい音が聞こえてきた。いつものあの二人だろうと思ったと同時に入口が勢いよく開いた。


「失礼ーしますー!」


予想は正解。海燕がいたら一喝するだろうに、懲りない二人だ。


「氷室さん、お帰りなさい!」「今回もお疲れ様です!」


清音と仙太郎の二人はいつも通りだ。五月蝿いようで五月蝿いと思わないのは、この二人がただ五月蝿くしているだけではないからだろう。


「まだ会ったことないですよね?新入隊員の朽木さんです!」


清音が自身の後ろから引っ張り出してきたのは、まだ会ったことのない新入隊員。だが、私はその顔を良く知っていた。驚きのあまり凝視してしまう。


「く、朽木ルキアと申します。よろしくお願いします」


良く知った顔だけど、声が違う。雰囲気もなんとなく違う。直ぐに分かった。


──緋真の妹だ──


朽木白哉の数年前に亡くなった妻が緋真。白哉を通じて仲良くさせてもらった。


白哉が緋真の妹ルキアを捜していることは知っていた。でも死神になって、十三番隊に入隊しているとは知らなかった。


「氷室水月。よろしく、ルキア」


内心の戸惑いを隠すように簡単に名乗りお茶を啜る。「朽木」と呼ぶと白哉とルキアでややこしいことになるから「ルキア」と呼べば問題ないであろう。


いつの間にか出てきた白狼に触れたときの反応は緋真とそっくりだ。


なんだか落ち着かないでいると浮竹が呼んでいると言うので海燕に書類を渡し足早にその場を後にした。


雨乾堂へ行くと顔色悪い浮竹が居た。そして開口一番に「黙ってて悪かった」と。浮竹はルキア入隊の裏には白哉が手を回していたことを話してくれた。


おそらくあの白哉のことだ、ルキアに本当のことは話してないだろう。それが緋真の頼みならなおさら。


それなら私からルキアに緋真のことを話す訳にはいかない。私はただ、ルキアが一人前の死神として成長するのを見届けるだけ。


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