第3章 ある時の八番隊
お饅頭を食べながら現世での出来事を話すと、伊勢副隊長は興味津々に聞いていた。いろんな人、いろんな色の髪、いろんな色の肌の人々が集まり競い合っていた。何を言っているか分からない言葉が聞こえてきたから、あれが異国の人々なのだろう。
お茶がなくなる頃に失礼しようとしたら、京楽は冊子を渡してきた。近々出版予定の写真集らしい。一枚一枚、捲って見る。
最初はただ立っている姿に始まり、斬魄刀を構えている姿、そして普段着と思われる着物姿、そのうち少し肌けた姿と、だんだん見るに堪えない姿になっていく途中で見るのを止めた。
とりあえず京楽に投げつける。そして伊勢副隊長へ羊羹を渡し、帰る。
「水月ちゃん、誰でもいいから後で傷見てもらうんだよ」
部屋を出る既の事で言われたが、歩みを止めずに出て行く。
相変わらず、見てないようで見ているものだ。その見る力を女ではなく、仕事に活かせば良いものを。
こんな事を思った所為か、日が暮れて暗くなった頃、卯ノ花隊長に捕まり、四番隊へ強制連行され、こんこんと説教を受けることになった。
そして後日、浮竹の耳に入ったらしく、またさらに説教を受けることになった。