第41章 『月が綺麗ですね。』『ずっと月をみていましょう。』
「マメちゃん、 ちょっとマスク取るね」
自分のしている透明マスクを外して。マミの方へと右手を伸ばすと。マミのマスクを外した拓眞は……
「この先永遠に守るから。愛してる」
チュっ。
軽く唇にキス。
拓眞の瞳には涙が浮かんでる。
真剣に、思いの丈を ぶつけてくれた拓眞。
「この先も永遠に導いてね。愛しています」
真剣に、思いの丈を返してくれたマミ。
マミの瞳にも涙が浮かんでた。
キスの時。マミの左耳に軽く触れてから、頬に右手を添えた拓眞の。その手に遠慮がちに、ぎゅっ。て左手で触れてきたマミ。
(不安な時に、キミは、ぎゅっ。てするね……)
まだ、少し不安が残ってるんだね。
(不安なんか、感じさせないくらい、幸せにするからね。俺のマメちゃん)
「あわにせし」
「うなねろ」
「「幸せに なろうね」」
その瞬間、 二人には、 お互しか映っていなかった……
── その時、長電話を終えたナミが。部屋から出るタイミングを失い。それでも。
(良かった。幸せになってね。マミ。拓眞くん)
と呟いていたのを二人は知らない……
──
オマケ
「愛朱実。俺、キミが好き」
『名前の呼び捨てに出世した』
「そこ?」
『朔弥。私、アナタが好きよ』
電話の向こうの彼女は……
(小悪魔……でした)
-終わり- -
-- *夏目漱石 日本の小説家 夏目漱石 が 『I Love You 』を『月が綺麗ですね』 と「訳した」(諸説あり) とされる。 名言を使用させて頂きました。