第1章 スーパーにて
暑すぎた夏……が。
この暑さ永遠に続くんじゃない?
が終わって、秋を通り越して。
すっかり、冬の世界に覆いつくされた町並み。
火曜日の、午後の13:30過ぎ。
仕事が休みの、出塚拓眞《でづかたくま》は、スーパーに買い物に来ていた。
この二年あまりで、すっかり人々の生活様式は変わってしまった。
今この時も、尊い命が旅立ち。多かれ少なかれ、人々は体調だったり、精神面に変調をきたし苦しんでいる。
そんな中、ようやく事態が落ち着き始めてるのかな?
(頼むから落ち着いて欲しいよなぁ)
拓眞は、心の中でつぶやいて。 やっと次だぁ。と思いながら、自分の前の客の若い女性が、たくさんのカゴの中の商品を店員がスキャンしている姿を見つめながら。
三つ、四つの、エコバッグを重そうに抱えながら、歩く買い物客は。
(すげぇよなぁ)
なんて考えた。
この状況になるまでは、もっぱらコンビニにお世話になっていた拓眞。なるべく外出を控えよう。自炊にしようか。スーパーで買い物するか。二、三日毎にまとめ買いするか。
と、生活様式が変化していって。
男の一人暮らしにも関わらず、二、三日まとめ買いをすると結構な量になる訳で。
(家庭を持っている人たちの買い物ったら、半端じゃないもんなぁ)
頑張って重い荷物を抱え歩いている人達を見ると、拓眞は。
(ホント、すげぇよなぁ)
って、思うのだ。