万華鏡の姫君1章 〜特級呪術師&最強柱〜【鬼滅】【呪術】
第6章 6章 砕けた硝子の意味
無一郎サイド
蒸し暑い中、汗だくなりながら絢蘭を必死に探す。
さすが絢蘭だ。
すぐ追いかけたのに、今は姿が見えない。
これがあまねさんが言ってた、全集中常中っていうのの力か。
普段遊んで追いかっけっこしてる時も速かったが、あれは全く本気ではないんだと感心してしまう。
って感心してる場合じゃない!
早く絢蘭を見つけないとまた独りで泣かせてしまう。
兄さんも本気で言ったことじゃないと充分分かっている。
苛立つ兄さんはのことを考えず、急に話した僕がいけないんだ。
早く見つけて皆で仲直りをしたい。
いることを願いある場所に向かう。
無「はぁ…はぁ…。いた。よかった。」
僕の思った通り。
毎年3人でお花見に行っていた広場だ。
ここは思い出深いし、絢蘭の好きな桃の木や色んな花が咲く場所で、今は桃の花は咲いてないが、ひまわりが咲き誇っている。
桃の木の下で、膝を抱え踞っている絢蘭に近づき、目の前でしゃがむ。
無「探したよ?絢蘭」
そう声をかけると、一瞬驚いたように顔をあげてくれたけど、また顔を隠してしまった。
一瞬見ただけでも分かる程涙で、顔が濡れてしまっている。
すぐにでも拭ってあげたいけど…
『今は一人にして!!』
無「それは無理難題お願いだな。だって、また独りで泣き続けて自分を責めちゃうでしょ?」
『…。』
絢蘭もきっと分かっているはずだ。
兄さんが本心であんなことを言ったわけじゃないって。
それでも絢蘭自身の中でまだ残っている心の傷を刺激したことには違いない。
でも、これは絢蘭が自分で乗り越えなくちゃいけない。
だからといって、ここで独りにしてしまうと悪い方へとまた考えてしまうはずだ。
そんなことは考えて欲しくないし、考えさせない。
そのために僕がいるんだ。
あの日使ったことように絶対独りにしないよ僕のお姫様。