万華鏡の姫君1章 〜特級呪術師&最強柱〜【鬼滅】【呪術】
第6章 6章 砕けた硝子の意味
無一郎サイド
絢蘭の心からの叫びは僕の胸を締め付けた。
そんなこと誰も思っていない
そんなことなんてない
そんなことなんて誰も望んでない。
どうしたら伝わる?
必死に宥め考えたとき、
"殺されていればよかった"
"死んでしまいたい"
聞きたくなかった言葉に思わず絢蘭の頬を平手で打ってしまった。
誰も望んでいない言葉を言った絢蘭に対しての怒り、何よりこんなに思い詰めていたことに気づかなかった僕への怒りで。
思わず涙が出てきたけど、そんなことは二度と言わないでと思いを込め強く抱き締めた。
絢蘭は僕達より遥かに頭いい。
普段は何でも要領良くて素早く何でもこなす。
母さんが死んでから、自分の力だけじゃ足りないと感じたらしく、独学で貯めたお小遣いで本を何十冊も買って、医学や薬学の勉強をし始めた。
今では力に頼るほどのない怪我や病気は絢蘭が診察し薬を調合してくれる。
その薬もそこらの町の薬局に置いてある薬より、よっぽど効く位だ。
そんな頭のいい絢蘭のことだ。
昨日のあまねさんの話が、動揺している悪い方に頭を使った様だ。
絢蘭が言っていることは全く正しくない。
ただそれだけ伝えても納得しないと思う。
いつも他の人の事ばかり考えて結局自分を苦しめてしまう。
僕が頼りないせいもあるけど…。
でも僕は自分を大切にしてほしい。
絢蘭が苦しんでいる姿を見ると僕も兄さんも胸が痛いんだ。