万華鏡の姫君1章 〜特級呪術師&最強柱〜【鬼滅】【呪術】
第6章 6章 砕けた硝子の意味
あ「畏まりました。少々曖昧な箇所がございますが御許しください。当時狗巻家は凜様を当主に、鬼狩りとは別の何かで膨大な力を持っていました。しかし凜様は鬼ではなく、別な何かを封じるために自ら命と共に封じることに成功し命を落とされました。封じる前に狗巻を縮小し、封印後は狗巻の次に力のある家へ封印の加護を求めたようです。更に、凜様と同じ瞳を持つ女児を誕生させない様何らかの力を使われました。しかし二百年に一度新月の日に、同じ瞳を持つ女児が誕生してしまう事を予知していたようです。そのため、遺言として同じ目を持った子を処分するよう永久に定めたとのことです。そして八百年前までは、遺言通り力の有り無し関係なく赤ん坊のうちに処分されていたようです。何を危惧してそのような遺言を残したか分かりかねます。申し訳ございません。」
あまりの内容に冷や汗が止まらない。
狗巻凛という人がもの凄い人だという事と、自分の命を犠牲に出来る心が強い人だと分かった。
確かに彼女と絢蘭はにていると思った。
自分の体調より父さんや僕達が怪我する事を必死に伝えたり、父さんと母さんの死を未然に防ごうとした。
結果自分のせいだと責め心を痛めても、僕達の事を守ると言ってくれた。
それにしても残酷な話だ。
大昔だから躊躇いもなかったかも知れないが…
「私も…。私も殺されていたかも知れないということですか?」
絢蘭の声が震えている。
体も。
当たり前だ。
僕だって絢蘭が殺されていたかも知れないと思うだけで、身震いするし同時に怒りも湧いてくる。
何が理由か知らないけど、奪っていい命なんか一つもない。
大丈夫。
絢蘭は僕が何者からも必ず守る。
そう思いを込めて、絢蘭の震える手を握る。
あ「誠に言い難いですが、本来なら遺言通りに絢蘭様は亡き者にされていた事でしょう。しかし、絢蘭様の本当のお母様であります狗巻涼子様はそれを良しとは決してしませんでした。絢蘭様が処分させる前夜に貴女様を連れ狗巻を飛び出ました。そして一度最低限の荷物を取りに行くべく、絢蘭を安全な場所に一時隠し戻りました。ですが、再び屋敷を出て絢蘭を迎えに行く途中山の中で事故に遭われ亡くなわれてしまいました。」