万華鏡の姫君1章 〜特級呪術師&最強柱〜【鬼滅】【呪術】
第6章 6章 砕けた硝子の意味
無一郎サイド
あれから数日がたった。
絢蘭が一人で外に向かうことはなくなり、大好きな笑顔も見られる様になった。
あの時、絢蘭は多分家族として"いなくならないで"といったと思う。
だけどそう言った時の顔が不謹慎だけど可愛くて思わず抱き締めてしまった。
その時絢蘭の心臓の鼓動が、早くなってるのが嬉しくて普段の僕なら絶対できないのに、柄にもなく手の甲に口付けをした。
ただこの思いは知られてはいけないから、心の中でもう一回僕の本当の気持ちで誓ったんだ。
"絶対いなくならないって誓うよ。僕のお姫様"
絢蘭は顔を真っ赤にして、混乱しているみたいだったけど。
それでいいんだ。
少しでも表情が変わってくれれば、少しでも僕を意識してくれるだけでいいんだ。
今こうしてまた笑顔の絢蘭と過ごせる日々が戻ってきてくれて、あの時の判断は間違って思えた。
ただ…
ただ気になることがあるんだ。
兄さんが前より苛立って見える。
絢蘭の笑顔が戻ったのに、どうしてだろう…。
そんなことを考えながら、玄関の掃除をしていた。
コンコンコン
無「!!」
びっくりしたぁ!
何だろう?また村の人のいたずらかな?
あ「失礼致します。産屋敷あまねと申します。時透有一郎様、無一郎様、絢蘭様はご在宅でしょうか?」
凛とした女性の声だ。
どうやら、いたずらではなかったみたい…。
でも、僕達になんのようだろ?
この家には郵便のおじさんぐらいしか来たこと無いのに。
待たせてはいけないと思い、玄関の戸を開けた。
無「はい。無一郎は僕です。兄と妹もいますが、どういった用件でしょう?」
あ「当然の訪問の無礼を御許しください。先程も名乗りましたが、私は産屋敷あまねと申します。この度、私の夫でございます産屋敷耀哉の代理で参りました。皆様にお話したいことと願いを是非聞き入れて頂きたく存じます。」
無「…はい!外ではあれですので、狭いですが、あがって下さい。」
あ「お心遣い感謝もしあげます。」
あまねさんという女性があまりにも美しく見とれてしまった。
一瞬白樺の木の精かと思ったよ。
子供の僕に対してしまった丁寧に話してくれた。
いかにも身分が違う僕達にお願いって何だろう。