万華鏡の姫君1章 〜特級呪術師&最強柱〜【鬼滅】【呪術】
第6章 6章 砕けた硝子の意味
そんなむいに甘えては話を続ける。
『前に、私が夢のせいで具合悪くなって、お母さんとお父さんも倒れてしまったことがあったでしょ。』
無「あったね。」
『その事が凄く悔しくて。私が具合悪くなければもっとちゃんとお父さんに伝えられたはずだし、嫌な気配の事をもっとしっかり注意していればお母さんを一人にしないで済んだのにって。』
無「うん。」
『だから…だから…、もっと強くなって皆を守れるように修行だってしてたのに…。』
無「…。」
『お…お母さんも、…お父さ…んのことも…ゆ、夢ででしっか…りみたのに…。』
無「…。」
『だ、だから…。ふ…二人ともグズン…絶対助けるって…ちか…ったのに…。』
無「もういいよ。大丈夫。大丈夫。絢蘭頑張ったね。必死に2人を助けようとしてた事は僕達が、僕が一番知ってるよ。だからそんなに自分を責めないでいいんだよ。大丈夫。」
自分の否力さが悔しくて、悔しくて、我慢していた涙がまた溢れてきちゃった。
そんな私の背中をむいが優しく擦ってくれた。
私のことを否定せず"大丈夫"と泣き止むまで声をかけ続けてくれた。
もういっぱいいっぱいで壊れそうだった気持ちがゆっくり治まっていくのを感じた。
『ねえむい?』
無「どうしたの?」
『お母さんのとお父さんを守れなかったこの力のことこの先どうしようって考えてたの。』
無「考えの答えは見つかった?」
『うん。今日むいが来てくれるまでね、一人で考えてたの。お母さん達を助けてあげられなかったこの力を私が持ってても意味ないと思ってたの。使えない力なんかいらないって。』
無「うん。」