万華鏡の姫君1章 〜特級呪術師&最強柱〜【鬼滅】【呪術】
第6章 6章 砕けた硝子の意味
絢蘭サイド。
お父さんとお母さんが死んじゃってもう一週間。
ゆうやむいはもう前を見ているのに。
私はまだ前を向けない。
大好きな両親がいない事。
何より、夢で未来を見たのに防げなかった。
なんのためにこの力があるのか分からなくなってきた。
『私はどうすれば良かったの?』
誰もいない外で、星に向かって問いかける。
教えてよ!お母さん、お父さん。
耐えきれず涙が出る。
そんな時隣にむいが座ってびっくりした。
しかも毎日こっそり外に出ていたことを知っていたみたい。
いつもみたいにからかうむいのお陰で、少し心が軽くなったかも。
むいには何でもお見通しで、一人で抱え込まないで話して欲しいと言われた。
本当は誰かに聞いてもらいたかったかもしれない。
むいの言葉に甘えて、心の中にあるモヤモヤを吐き出す事にした。
『むい…。あのね、私の話聞いてくれる?』
無「勿論だよ。」
優しい声と笑顔で答えてくれる。
『私、お母さんとお父さんがが大好きなの。ずっと。もちろんむいとゆうも。』
無「うん。ありがとう。」
『それにいっつも感謝してる。』
無「うん。」
『捨て子だった私を本当の子供のように育ててくれたし、愛情をいっぱい貰ったと思う。』
無「うん。」
『それに私の見た目普通じゃないでしょ?だから、村の人達から悪口言われても、私のこと守ってくれて肯定してくた。』
無「うん。」
『私のせいで、いっぱい苦労かけたし、1回も責めないでくれたし。』
無「うん。」
『だから本当に感謝してもしきれない。』
無「うん。」
『私に不思議な力があるって分かった時も、怪しんだり怖がらずに当たり前のように接してくれた事が凄く、凄く嬉しかったんだ。』
無「うん。」
『だからこの力は、家族のためにだけ使うって決めてたの。恩返しの気持ちも込めて。』
無「うん。」
むいは私の話に相づちをいれるだけで、真剣に聞いてくれる。
それが私の心を少しずつ軽くしてくれるみたいで、凄く嬉しかった。