万華鏡の姫君1章 〜特級呪術師&最強柱〜【鬼滅】【呪術】
第6章 6章 砕けた硝子の意味
無一郎サイド
父さんと母さんが死んでしまってから、兄さんの性格が変わってしまった。
一切笑わなくなり、淡々として冷たくなってしまった気がする。
どう接するかを悩みながら今日も兄さんと山に仕事に来ている。
有「情けは人のためにならず。誰かのために何かしてもろくなことにならない。」
こんな否定的な事を言う事もあるんだ。
無「違うよ。人のためにすることは巡り巡って、自分のためになるっていう意味だよ。父さんが言ってた。」
僕が父さんからもらった大事な言葉を、兄さんにももう一度思い出して欲しい。
有「人のために何かしようとして、死んだ人間の言うことなんてあてにならない。」
無「何でそんなこと言うの?父さんは母さんのために…。」
有「あんな状態で、薬草なんかで治るはずないだろ。馬鹿の極みだろ。」
無「兄さんひどいよ。」
有「嵐の中を外に出なけりゃ、死んだのは母さん一人で済んだのに。」
確かに薬草じゃ厳しかったかもしれないし、嵐の中危険だから止めたけど、それでも母さんを助けるために、命を張った事を馬鹿にするなんて、いくらなんでも言いすぎだよ。
つい口調が強くなってしまう。
無「そんな言い方するなよ!!あんまりだよ!!」
有「俺は事実しか言ってない。うるさいから大声出すな。猪が来るぞ。」
兄さんだって父さんと母さんが好きだったはずなのに。
どうして?
有「無一郎の無は"無能"の"無"。こんな会話意味が無い。」
有「無一郎のの無は"無意味"の"無"」
無「…。」
まるで突き放す言い方に反論が出来なかった。