万華鏡の姫君1章 〜特級呪術師&最強柱〜【鬼滅】【呪術】
第6章 6章 砕けた硝子の意味
絢蘭サイド
お母さんが倒れた。
お医者様にみてもらったら、風邪を拗らせ肺炎を起こしてると言われた。
しかも雨風が強い日は続いているせいで、薬が手に入れるのに時間がかかるみたい。
お母さんが寝込んで4日がたってしまった。
息するのも苦しそうでとても辛そうだよ。
私が無理矢理でも早く治療していれば、ここまで酷くならずに済んのかもしれないのに。
母「ゴホッゴホッ」
『お母さん大丈夫?お水飲む?』
お母さんの背中をさすりながら、水差しを用意する。
母「ありがとう絢蘭。ゴホッごめんね心配かけて。」
『気にしないで。それよりそろそろ体休めよう。私が側にいるから。』
母 「絢蘭側にいてくれるなんて心強いわ。ゴホッ。じゃあ休ませてもらうね。」
そう言い、お母さんはやっと眠りについてくれた。
布団を掛けなしてあげる。
"側にいる"
今の私にはただお母さんの側にいることしかできない。
肺炎と分かったとき、お母さんが寝ている間に治癒の力を使って額に口付けをした。
これでお母さんは元気になる。
そう思い込んでいた。
でもお母さんが目覚めたとき、病状は何にも変わってなかったの。
1回じゃダメなのかと思い、何回も何回も試した。
けど結果は同じく治る気配もなかった。
今まで治療したのは怪我ばかりで、一回だけど化物のせいで体調が悪くなったお母さんを治療して楽にしただけだった。
私の治癒の力は病気には効かないの?
どうして?
私の力が足りないってこと?
やっぱり夢を見た段階で、力を使っていればお母さんがこんなに苦しむことは、なかったの?
なんのために強くなって家族を守るって決めたの?
全然強くなってなんかいない。
悔しい。
悔しい。
悔しい。
自分の力のなさに悔し涙出そうになる。
けど泣いている場合じゃない!
私がお母さんを支えるんだ。
少しでも病気がよくなるようの祈りを込めて、お母さんの額に口付けを落とす。