万華鏡の姫君1章 〜特級呪術師&最強柱〜【鬼滅】【呪術】
第18章 日輪刀と二人の力・・・そして初任務へ
妙な緊張感の中、いざ始めようとした時、空気を壊すように誰かの気の抜けた声が聞こえた。
前「あ、あの~すみません。」
その声に空気がもどり一斉に視線がそのものに向いた。
視線におじけづいたのか、さっきよりか細い声で続けた。
前「お取込み中し、失礼します…。ってなんでお館様のお屋敷で柱があつまってるんだ?」
どうやら恰好からするから隠の様だが風呂敷を二つ担いでる。
今はそんな事より絢蘭の機嫌を直す事が第一だ。
せっかく完成した無限の呼吸の型を無一郎や皆に見て貰う所だったのだ。
さらにずっと楽しみにしていた無一郎の霞の呼吸の型を見られるという瞬間に、知らない邪魔者が入ったのだ。
直前まで上機嫌だったのに、今は一気に不機嫌になり現れた人物に殺意に近い警戒をしている。
これはヤバいと瞬間に感じた無一郎が傍まで駆け寄り、しのぶ達も必死になだめてる。
その間に実弥がその者に詰め寄った。
実「用事があるんならさっさと言いやがれ!その荷物からしてあいつ等の隊服を届けに来たんだろォ。」
前「は、はい!時透無一郎殿と狗巻絢蘭殿の隊服が、で、出来ましたので此方に届けるように言われまいりました。」
実弥は絢蘭の機嫌を直す絶好の機会だと思っていた。
隠が荷物を持って新人に訪ねてくることなんて一つしかないからだ。
それを実弥を瞬時に確認し、今の状況を打破できると考えた。
確か無一郎にしてはこだわって隊服に注文を出していた。
絢蘭は無一郎とお揃いなら何でもいいと言いていた。
つまり無一郎とお揃いの隊服をみて着れば、少しは機嫌が直ると考えていたのだ。
ただこの隠しを見ると一抹の不安を感じるのは何故だろうか?
一先ず優先は絢蘭だ。
実弥を初めしのぶや義勇はこれ以上悪化し泣かれることを危惧している。
三人で決めたわけではないが、出来るだけ穏やかに今を過ごしてほしいという思いは一緒だ。
せっかく他の柱とも全員とまではまだ行かないが、馴染んで楽しそうにしているのにそれはごめんだ。
何より絢蘭の涙を見たくない。
実「手合わせ中断させて悪かったな。そうふくれっ面になるなァ。だがいい知らせだお前らの隊服が完成したってよ。こいつが間は悪ぃが届けてくれたぞ!」
これで少しでも機嫌がよくなるはずだ。