万華鏡の姫君1章 〜特級呪術師&最強柱〜【鬼滅】【呪術】
第17章 9. 同じ志持つ者達 戦うという事の意味
という訳で今僕たちは蝶屋敷にいる。
そして胡蝶さんによる問診と検査を絢蘭が受けているのを僕と不死川さんに冨岡さんが見守っている。
正確には僕が状況を説明しているけど。
それに胡蝶さんにやんわり邪魔と言われても心配だからと不死川さん達も残っている。
不死川さんは僕達兄妹を実の弟妹の様に接してくれてとてもありがたい存在。
だけど絢蘭の事になると異常に過保護になるのはなぜなんだろう?
冨岡さんはいつも黙ってるけど何かと僕たちの近くで味方になってくれていると思う。
実際に藤襲山から蝶屋敷まで不死川さんは絢蘭を冨岡さんは僕を負ぶって蝶屋敷まで運んでくれた。
僕はそこまで疲れてなかったから最初は遠慮したけど、お館様を待たせてはいけないという事で、お言葉に甘えた。
3人とも物凄い速さでの移動だった。
なのにほとんど揺れず、わずかな揺れと久々の温もりに絢蘭は安心しきった顔で眠っていた。
そんな僕も緊張から解放されたせいか気づいたら眠っていた様だ。
し「無一郎君の話をまとめると、2人とも怪我一つないのに何故か日に日に鬼の襲撃率が高まったと。近くに人気配があってもわざわざ向かってくる鬼もいたと。それで鬼達に囲まれた時、絢蘭ちゃんが指先を切ってしまった時それまでの鬼達の様子が一変し苦しみながら倒れていったという事で間違いないないですか?」
『…たぶん?』
無「間違いないです。」
絢蘭は断片的にしか覚えていないらしく、鬼達が一斉に倒れた事は覚えていたが、自分が指を切った事は忘れていた。
無「それに鬼達は頻りに”稀血”と言ってました。不死川さんから稀血の事を教えてもらっていたので、警戒を強めましたが、まさかあんな少量の出血で鬼共がバタバタ倒れるとは思いませんでした。でも倒れているだけで、首を斬る必要はありました。」
し「なるほど。絢蘭は稀血に間違いないでしょう。詳しい検査や検証しないとその威力がどの程度かは分かりませんが、不死川さんより更に珍しい稀血だと思います。彼の血も稀血の中の稀血とも言われ、その血を嗅いだ鬼は泥酔状態になりますからね。」