万華鏡の姫君1章 〜特級呪術師&最強柱〜【鬼滅】【呪術】
第17章 9. 同じ志持つ者達
無一郎サイド
『花の呼吸肆ノ型 紅花衣 陸ノ型・渦桃!』
無「風の呼吸壱ノ型 塵旋風・削ぎ 陸ノ型 黒風烟嵐」
山に入ってまだ半刻もたっていない。
なのに僕たちの前に4体の鬼が現れた。
現れた瞬間初めて見る鬼に一瞬ひるんでしまった。
けど、絢蘭が先淡々と鬼へむかって技を放っているのを見て僕も鬼へ向かった。
なんとか技を出して2体の首を斬ることに成功した。
これが恐怖と感情なのだろうか。
でもすぐ忘れるんだろうな。
初めて鬼を斬りホッとして絢蘭を見ると、全然何とも思ってないようだった。
それより僕を心配したのか駆け寄ってくれた。
『むいやったね!ケガはしてない?って大丈夫だよね。あの程度がむいを傷つけられるわけないし。一呼吸置きたいところなんだけど鬼の気配が濃いし多くなってきてる。出来るだけ死なせたくないから速さ上げるけど大丈夫?』
無「流石絢蘭だね。少しの動揺もなくあっさり切り捨てちゃうだから。僕は大丈夫だよ。さっきも言った通り絢蘭が動きたい様に動いて。遅れても必ず追いつくからさ。」
少し心配な表情をしていた絢蘭だけど、僕が背中を押すと頷いて走り出した。
今日の絢蘭はいつも違う。
いやいつもが違うのかな?
普段は容姿より幼い口調ですごく可愛いんだ。
だけど前に一度お館様達との話し合いで、すごく大人びた話し方していた。
その姿は大人っぽくて綺麗で。
今日もその時に近い口調になっている。
そういえば胡蝶さんが僕たちは記憶喪失って言ってたっけ。
絢蘭はさらに心に蓋をして成長するのを嫌がっているらしい。
よくわからないけど絢蘭が辛い思いするならこのままでいいし、僕自身も絢蘭が傍にいてくれれば記憶なんかどうでもいい。
ただ守れる強ささえあればそれでいいんだ。
「わぁぁぁ!!」
僕の耳にもと届く距離から他の受験生らしき悲鳴が聞こえた。
『むい。ちょっと速さあげるね。」
無「了解。絢蘭先行っていいから。」
頷くと絢蘭は今の倍の速さで走っていった。
速く僕もあれくらい早くならないとな。
『花の呼吸 陸ノ型 渦桃』
僕が到着した時、絢蘭空中で回転させ敵に渦状の斬撃を放ち5匹の鬼を切っていた。