第17章 ９. 同じ志持つ者達

実「確かに早ぇなァ。胡蝶が褒めてただけはある。だが、威力が全然足んねぇぞ。お前俺に手を抜いてんのか？」


褒められたと思った瞬間怒られ、実弥の纏う風が変わり始めた。
その様子に小芭内と蜜離はヤバいと感じるが、絢蘭は気にしない。


　『今のはどのくらい私がはやくなったか見てもらったんだもん。それに手なんかぬいてないよ！どれくらいまで力出していいのか分かんないからこれから上げようと思ってたの！』


それを手抜きと言うんだと大人3人は心に思った。

それから絢蘭は、徐々に力を高め実弥に放っていった。
実弥も始めは受け流す程度から風の呼吸で防ぐようになって行った。
だが自身の3割程度の力しか出していないし、絢蘭に向けてまだ１回も攻撃がはなたれていない。
それが絢蘭にはやや不服の様だ。


　『もう！さねみ兄手かげんしすぎ！それにそっちからこうげきしてくれないの？さけたり、ふせぐれんしゅうもしなきゃでしょ？』

実「まぁまぁ怒るなァ。この短期間でそれだけの威力の呼吸を出せるんなら十分だ。花の呼吸は以前の花柱のを見た限りだったが、正確に出せているぞ。ほぼ同じ様にできている。今日の所はお前の実力を測るための手合わせだし十分みれた。防衛を含めた手合わせは次回からでもいいだろ。な？」

　『えー！私だって半分ぐらいしか力出してなもん。ねぇねとふつうに手合わせ出来るんだよ？それにびっくりする事まだ見せてないよ。これから見せてあげるからね。いくよー！



シィー…。















風の呼吸









弐ノ型 爪々・科戸風!! 』


風の呼吸は爆風のようにな攻撃で相手を抉る技を繰り出す呼吸。
攻撃特化型で、斬撃から繰り出される風が殺傷力を持った攻撃だ。
軽快な身のこなしから生まれる突風のような剣技が特徴となっており、連撃に耐えられる持久力と素早い振りを可能にする体幹が求められる呼吸ともなっている。

そして絢蘭が繰り出した弐ノ型 爪々・科戸風は、日輪刀を斜めから振り下ろす技。
一振りで4本の斬撃を発生させ、その形は獣の爪のようである。

風呼吸は威力が凄い分扱う側がしっかり鍛えていないとまともな攻撃が出せない。
そのため女性剣士に扱えるものは少ないのだ。