万華鏡の姫君1章 〜特級呪術師&最強柱〜【鬼滅】【呪術】
第17章 9. 同じ志持つ者達 戦うという事の意味
行「…そうか。絢蘭といったか?お前には人の過去が見えるのだな。お館様も大事にされる理由の一つなのだろう。ありがとう。お前がそう言ってくれるだけで心が少し軽くなった。だが、この力は無闇に使ってはいけない。お前に何かあったら私達が悲しむ。私達が近くにいる時に許可を得てからにしなさい。」
『……はーい。』
し「ありがとうございます悲鳴嶼さん。この子瞳はどんな者の過去でもみれる様で、最近では無くした物のありかなど些細な事にも使ってしまっていて。注意するにも悪い事をしている訳ではないので強くは言えず、次の日には忘れてしまうの繰り返しだったのです。ですが、今日の新たな出会いという刺激は今の所かなり良い方向に向かっています。今日の出来事を明日忘れてしまっていても、何らかの形で心には残るでしょう。」
確かにあいつに会うたび、喜んで来てくれるのは嬉しんだが、すぐ新しい傷を見つけちまってどこで誰がやったかを胡蝶にバラしちまうんだよなァ。
まぁ大抵の傷は俺自身が切って俺の稀血で鬼どもを誘いだしているんだが…。
わずかな切り傷で蝶屋敷に行くのはめんどくせぇし、今までは貰った軟膏を深傷の時だけ使っていた。
だが、絢蘭がなつく様になって何日か過ぎた日、いつも通りあいつは俺を見つけると思いっきり抱きついて来た。
いつもなら楽々と持ち上げて抱えてやるんだが、前日に少しヘマをして腕に深めの傷をつくちまったんだ。
深めと言っても日常生活に問題はねぇし、包帯なんて窮屈なもん普段から巻いたりしねぇ。
それが悪かった。
運悪く絢蘭抱きついて触った場所に傷があった。
僅かに顔を顰め少しばかり力んじまったが、普通なら気付かれねぇ。
だが、絢蘭はそんな僅か反応に気づき、今にも泣きそうな顔でじっと俺の顔を見つめてた。
大した事ねぇって納得させるまでに一苦労だったし、傷はあいつの力で勝手に治しちまうしで大変だった。
それから俺に傷がある時は俺の目をじっと見ては治すが続くようになっちまった。
ある時その現場を胡蝶に見られてから、絢蘭は俺の傷ことを胡蝶に報告する様になっちまった。
その日からいつも以上に胡蝶の小言が増えたんだよなぁ。
大体は自分で付けてるから心配ねぇって言っても、あいつの名前を出されて何も言えなくなっちまった。