万華鏡の姫君1章 〜特級呪術師&最強柱〜【鬼滅】【呪術】
第16章 8.守るために…
今は絢蘭ちゃんの力になりたい。
たとえ満開の花が咲かなくとも、萎れていても、姉さんから受け継いだ”花の呼吸”を私なりに精一杯見せてあげたい。
あの大好きな姉さんと鍛錬をしていたころを思い出しながら。
し「勢いはありませんが花の呼吸全て見せてあげますね。それでは…。いきます!スゥー。
全集中花の呼吸壱の型…
花の呼吸陸の型 渦桃!。」
ふぅー。
最後に出した陸の型は体を空中で回転させ、敵に渦状の斬撃を放つ技です。
姉さんほどきれいではないですが。
何とか陸の型まで出し切る事が出来ました。
終の型についてはまた後日にしましょう。
『‼すごい!ねぇねのかたきれいだった!まるで花びらがまっているみたいだったよ。すごーい!!』
し「もう一つ”終の型”というものがありますが、とても危険な技なので今は教えることはできません。貴女がもっと成長したら教えるとしましょう。そしてこの型はどうしても必要な時にしか使用してはいけません。いいですか?」
『はい!わかったよねぇね。』
この時は絢蘭ちゃんに特殊な能力があるとしても、万が一の事を考えて終の型を教えませんでした。
私を姉として慕ってくれる彼女を傷つけたくありませんでしたから。
しかし私の不安を簡単に吹き飛ばすような事やりとげてしまったのは少し先のお話です。
『ねぇね!見てて。ねぇねみたいにキレイにできるかわかんないけど、”花の呼吸”おぼえたからやってみるね。全集中。花の呼吸壱の型…』
し「えっ!?」
絢蘭はそう言うと、一度しか見ていないのに壱の型から陸の型まで流れる様に花の呼吸を全て出し始めてしまったのです。
それはまるで演舞をみているかのようで、私よりも一つ一つの型が断然綺麗でしなやかで…。
花柱だった姉に匹敵する程いや、それ以上かもしれません。
『どうかな?ちゃんとできてた?』
はっ!
あまりに綺麗な型で夢中になって見てしまいました。
それよりこんな事はありえません!
1度見ただけで完全に呼吸を扱えてしまうなんて聞いた事ありません。
いくら常中が出来るといっても、本来は体を作りながら数ヶ月に渡って何度も反復して覚えていくのが呼吸をものにするやり方です。
それをいとも簡単に出来てしまうなんて。
この子は...。