万華鏡の姫君1章 〜特級呪術師&最強柱〜【鬼滅】【呪術】
第14章 6.新しい友達
悟サイド
絢蘭が僕並みに強いことはわかっていたけど、この1週間でここまで成長するとは正直驚きが隠せないよ。
さすが”万華鏡の姫君”の生まれ変わり。
さらに”特級過失怨霊 有一郎”をこの若さで完全にコントロールしているだけはあるな。
まぁ、絢蘭と有一郎の利害が一致しているのが一番なんだけどね。
どれだけの深い絆でつながっているのか彼女たちの事を知らなくても分かるレベル。
そして絢蘭は、いつの間にか恵の術式である”十種影法術”のオリジナル版を完全に完成させていたことだ。
僕との模擬戦では無下限術式の制度を上げる事に重きを置いていたからね。
さっき入口で”玉犬”を出したのはびっくり。
しかも絢蘭も式神ともに強い絆が見られた。
後で恵に聞いたんだけど、本来十種影法術の式神は生み出した術者が式神に勝利して初めて契約が結ばれるものだ。
なのに絢蘭は一切戦わずに心のやり取りだけで契約したそうだ。
本人は式神というより友達っていう感覚何だろう。
式神たちも完全彼女を信頼している。
本当に絢蘭は、初めてを生み出す天才だよ。
複数の術式を使えることだって僕でさえ出来ない事なんだ。
戦いになると口調や彼女の纏う空気が一気に大人びたものになった。
こんな絢蘭を見たのは2回目。
前にお館様の屋敷の時以来。
普段とは違い、今は妖艶で綺麗という言葉の方がよく当てはまる。
恐らく”狗巻凛”の事が何らかの影響を与えているんだろうけど。
『随分舐めた表情するね君。私の黒夜を甘く見ないでよ。デビュー戦なのに君みたいのが相手なんて黒夜が可哀そうだな。君は5秒で祓える。出番が少なすぎだから特別にカッコいい黒夜を見せてあげる。黒夜、巨大狼化!』
本当にあの可愛い絢蘭ちゃんかい?
って疑うほど好戦的になっちゃってるよ。
お兄さん流石に目と耳を疑っちゃったよ。
5秒も掛らず祓い終わると、その勢いは院内に入ってからも
止まらなかった。
『術式順展 蒼!』
順調と言っていいのか2級~1級相当を淡々と祓っちゃってるよ。
顔色一つ変わってないし。
全く凄いねこの子は。
恵も順調そうだ。
最上階に着くと2体の呪霊の気配を確認。
2級と1級の呪霊が1体ずつか。
そろそろ恵にもやらせてみようか。