第13章 5.新しい家族と生活

悟「万が一にでも封印が解けたら大変だからね。だけど千年後の今、彼女と全く同等の力いや、それ以上の力を持った少女が誕生した。」


そう何故か嬉しそうに語る悟が、絢蘭の前にしゃがみ手を向けた。


悟「そう。絢蘭きみだよ。”万華鏡の姫君”の生まれ変わりのお姫様。」


周りが動揺を隠せないなか、絢蘭は冷静であった。
まるで分っていたかのように。


　『やっぱり。悟が話し始めた時からそうなのかなって思ったよ。むいを治療できたのも、むいに襲ってきたバケモノを退治したのもこの瞳と術式？だっけ？そのおかげなんだね。の色は同じかもしれない。でも本当に生まれ変わりなの？無意識に力を使ってたみたいだけど。ほとんど覚えてないし。』

悟「それは間違いない。」


いつになく真剣な表情で肯定した悟。
普段ふざけた様子しかみていなかった絢蘭だが、初めてみるその表情に僅かに体が強張った。
何しろ自分の”十二眼”が嘘とは言ってなかったのだから。


悟「絢蘭は覚えてないと思うけど。僕達や、鬼殺隊のお姉さんたちがあの場所に着いたとき、すでに特級相当の呪霊の残穢あったし。あっ、残穢っていうのは祓った呪霊の痕跡みたいなものね。あそこには君以外術式を持ったものは、いなかったし。その後出た１級呪霊も僕たちの前で難なく祓っちゃったしね。それに結界の才能もある。まだ12歳で僕と同じぐらい強いって僕の六眼が証明している。狗巻凛が両面宿儺の封印と共に消えた後、後継者を出さないようにしていたけど、まれに近しい瞳をもった子が生まれていたみたい。だけど彼女や絢蘭の様に完全なる十二眼の持ち主ではなかったようだよ。彼女は両面宿儺の復活を恐れていたみたいだけど、大丈夫。安心していいよ。彼女より絢蘭の方がもっと強くなるし、僕もついてるし。たとえ復活したとしても僕が近づけないから。約束する。」


無一郎も信じられない話ばかりで、ふざけているのかと疑いたくなったが、鬼殺隊については信頼している。
だからこんなな馬鹿げた話をする理由が見当たらない。
悟に対しても普段のふざけた様子が見られなく戸惑ったが、絢蘭の様子を見て嘘言っていないと理解した。
だが、愛する妹にもの凄い力と2つの脅威があるといきなり言われ困惑する事しか出来なかった。