万華鏡の姫君1章 〜特級呪術師&最強柱〜【鬼滅】【呪術】
第4章 4章 硝子に皹が入り始める
無一郎サイド
しばらく父さんの腕の中で泣いた後、今は夕餉の準備をしている。
けど絢蘭のことが気がかりでしょうがない。
僕も兄さんみたいに度胸があって強かったらもっと上手く守れたんじゃないか。
いやそれだけじゃない。
僕はいつからか妹としてじゃなく、1人の女の子として絢蘭が好きなんだ。
でも打ち明けるつもりはない。家族のままで十分だし、きっと絢蘭は兄さんことが…。
考えるのは辞めよう。
思わずため息が出てしまった。
母「そんなに心配しなくても大丈夫よ無一郎。そろそろ目が覚める、ほら、噂をすれば絢蘭ちゃんが起きたみたいよ。」
母さんに言われ後ろを向くと、目を擦っている絢蘭を見つけ飛んでいく。
無「絢蘭!!起きて大丈夫か?どっか痛い所とかないか?ちゃんと守ってやれなくてごめんな。」
思わず絢蘭を抱き締めながら問う。
『大丈夫だよ。ありがとうむい。守ってくれて。ごめんね急に寝ちゃって驚かせちゃったよね?』
そう言いながらばつのわるそうな笑顔を向けてくれた。
またこの笑顔が見れて良かった。
父「お!絢蘭起きたか。顔色も良さそうだな?大丈夫か。」
『うん。心配かけてごめんなさい。』
父「元気なら良いんだ。絢蘭こっちにおいで。有一郎と無一郎も。」
突然父さんに皆呼ばれた。
もしかして絢蘭の力のこと今聞くのかな?
さすがに早すぎると思うけど。
父「3人とも今日は偉かったな!」
3「『えっ!?』」
『私は逆にお兄ちゃん達に守られて、怪我させちゃったし』
父「でも一番年下のお前が大人数に向かって辞めてって叫んだんだろ。散々嫌な思いしてるなか兄貴達のために頑張ったんだ!十分偉いぞ。」
無「僕だっていつも弱虫で兄さんと一緒じゃないと何も出来ない。兄さんみたいに男らしくなりたいのに。」
情けなくて俯く。
父「無一郎は優しさを強くもった子だ。いつも誰かを気にしてくれるだろ。」
無「でもこのままじゃ絢蘭を守れない。また今日みたいに…。」