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万華鏡の姫君1章 〜特級呪術師&最強柱〜【鬼滅】【呪術】

第13章 5.新しい家族と生活


実弥サイド

あいつ等を保護して一週間がたった。
その間にも何度かお館様の屋敷を訪ねてあいつ等の様子を見に行ってはいた。
だが何日かは、俺の事を全く覚えてねェようで、絢蘭にいたっては怯えた表情で見てくる。
無一郎は当然覚えていねェだろォから名前を教えてが、翌日には完全に忘れていて驚いた。
胡蝶が近くにいてくれたから、俺を不審な人間じゃねぇことはわかってもらえたみてェだから一安心したが、あいつからの殺気はやばかった。
自分に対しての警戒っつうより、妹のへの警戒が異常なほど強かった。
この状況を胡蝶に説明してもらったが、内容に驚愕と激しい後悔が募った。
胡蝶の話によると、2人は重度の記憶障害。
自分自身はもちろん、本当の家族の事、なぜあの場所に連れて彼監禁されていたのかなどほぼ全てを忘れているらしい。
その影響で無一郎は絢蘭以外の前では一切感情あらわにしない。
絢蘭に至っては、無一郎と今のところはお館様と胡蝶、それに五条とかいった呪術師以外には感情をあらわにしない。
それどころか初対面の奴や、覚えていない奴に対しては酷く怯えかくれてしまうんだと。
ようやく覚えてもらっても、俺にはまだ完全に信頼されていないのか、張り付けた笑顔で話しかけてくるから胸が痛ぇ。
まァ、それもちったぁマシになったが。
こいつの事どうにかしてやれねぇんかとつい胡蝶にきつく言っちまったがァ、悲しげに首を横に振るだけだった。
唯一の救いは、互いの記憶だけはあるらしい。
と言っても、こいつ等自身しか覚えていなく周り事は除外されているみてぇだ。
それと、絢蘭は無一郎と有一郎の記憶はあるみてェだ。
鬼に有一郎が殺されたことは全く覚えていない。
今も生きていると勘違いしている。
だが、無一郎には絢蘭の記憶しかねぇ様だァ。
双子の兄の記憶まで無くしちまうとはなァ。
怨霊化して絢蘭に取り付いている有一郎は、最初から分かったみてぇで、だから無一郎がいない時か意識がないときしか出てこないんだと。

こいつ等があんな糞みてぇな生活を強いられていた事。
鬼舞辻や鬼どもに襲われ大事な兄貴を失った事を憶えてねぇのは良かったというべきか。
だが、今後も記憶を取り戻さない限り不便な生活を送る事になる。
俺が、あの時選択を間違えなければ…。
思い足取りで屋敷へ向かう。

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