万華鏡の姫君1章 〜特級呪術師&最強柱〜【鬼滅】【呪術】
第13章 5.新しい家族と生活
無一郎サイド
暗い底から少しずつ意識が浮上してくる。
だけどまだ瞼も体もおもい。
でも、こんなにゆっくり眠ったのはいつ以来だろう。
ダメだ。
全く思い出せない。
気配が眠る前と全然違う気がする。
確か…気味の悪い場所にいたような気がする。
完全には思い出せない。
ただ、絢蘭が泣き出しそうな顔をしていた事は、はっきり覚えている。
絢蘭は無事なのか?
誰かが助けに来てくれた気がするけど…。
記憶が混乱しているかな。
とにかく絢蘭を探したいのに、体が言うことを聞いてくれない。
『むい。おはよう。お父さんのおうちに来て2日たったよ。ここにいればもうだいじょうぶだって。ねぇねがむいを元気にしてくれるって。ごめんね。私にもっと力があったらむいをこんなにくるしい思いさせなかったのに…。』
絢蘭の声だ。
よかった。
無事で元気そうで安心した。
僕もまだ起きれないけど、もう大丈夫だからそんな辛そうな声を出さないで。
”絢蘭の力のおかげでまた絢蘭の声が聴けるんだから。”って言ってやりたいのに、瞼が上がらないのがくやしい。
それより、お父さんのおうち?ねぇね?
誰?
家族は僕と絢蘭だけ。
まさか怪しいやつに捕まって、僕は無理やり眠らさせらているのか?
耀「おはよう絢蘭、無一郎。無一郎の様子はどうかな?」
『おはようおとうさん。ねぇねのおかげで、かお色だいぶよくなってきたけどまだ目をさまさないの。あとさっきむずかしい顔をしてた。』
耀「それはよかった。きっとそれは少しずつ意識が戻ってきているのかもしれない。初めてきたこの場所気配や、私に警戒しているのだろう。無一郎。安心して大丈夫。ここにいる者達は、皆君たちの味方だからね。決して何もしないよ。私は、産屋敷耀哉。以前から無一郎たちの事を探していたんだ。救い出すのが遅くなってすまなかったね。今は絢蘭のためにも体を治す事だけを考えればいい。目が覚めた時しっかり状況を説明するからね。さぁお休み無一郎。」
絢蘭が”お父さん”と呼ぶこの人は、僕が考えていることがわかるのか?
増々怪しいのに、この人声を聴いていると心が落ち着いてくる。
それに、僕たちを助けてくれたのだど確信してしまう。
そしてまた意識がゆっくり沈んでいったのだ。