万華鏡の姫君1章 〜特級呪術師&最強柱〜【鬼滅】【呪術】
第11章 3.新しい居場所
御「今日はよく集まってくれたね。君も怪我がなさそうで良かったよ。」
お館様と呼ばれるこの人の声は、とても心地よくて何だか懐かしい気持ち。
し「御館様におかれましても、ご壮健で何よりです。益々の御多幸を切にお祈り申し上げます。」
ねぇねが話し方が変わってびっくり。
何言ってるか全く分かんないけど、ねぇね達はこの人を心から大切にしているみたい。
さっきこの人の目を見ようとしたら何故か、頭が痛くなってなって見れなかった。
こんなこと初めてだけど、声や目とかは優しい空気が流れている。
ただその背後から呪いのような黒い渦が、この人をおおっているのが気になる。
どうやらそれが顔の痣の原因。
私がどうにかすること出来ないかな?
御「ありがとうしのぶ。そして義勇、よく無事に絢蘭と無一郎を救いだしてくれたね。礼を言うよ。」
し「有り難きお言葉です。」
御「さて、君は時透絢蘭、隣で眠っているのが兄の無一郎で間違いないね。」
全く別の事を考えてた私は急に名前を呼ばれて、驚いて頷くことしか出来なかった。
御「そうか。私は産屋敷耀哉。この屋敷の主だよ。そして鬼殺隊は私のご先祖様が作った組織。そのため、鬼殺隊の指揮も私が勤めているんだ。もっと早く救ってやれなくて悪かったね。でももう安心していいよ。ここは君たちの新しい家だと思っていい。」
何で皆こんなにやさしいんだろう。
この人、”産屋敷耀哉”って言う人も。
昨日まではあり得ない事がずっと続いている。
おやかたさまの優しい声に思わず泣いちゃった。
『……新しいおうち?私達ここにいていいの?ヒクッ』
もうあんな目にはあわないと分かっていながらつい聞いてしまった。
しばらく疑う癖は抜けそうにないな。
反省していると、お館様が近くまできて優しく抱きしめられた。
『!!…ッ。』
御「辛かったね。思う存分泣いていいよ。私は絢蘭達がどんな目にあったか全て知っているからね。よく頑張ったね。よく無一郎と生きることを諦めないでくれた。ありがとう。これからは私達は家族だよ。君たちのことは必ず守るからね。」
すごい懐かしくなって涙が止まらなかった。
こんなに泣いたのはいつ以来だろう。
人のの暖かさとは別の何かを感じたんだ。