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万華鏡の姫君1章 〜特級呪術師&最強柱〜【鬼滅】【呪術】

第6章 6章 砕けた硝子の意味


有一郎サイド

得体の知らない鬼に眠らされどれくらいたったのだろう。
目を覚ましたら、外がだいぶ明るくなっていた。
絢蘭が心配で、重たい体を起こし、倒れているか眠っているか、分からない絢蘭の口許に手をかざす。


有「…良かった…ゲホッ生きている…。」


そっと絢蘭の頬撫で、無一郎の無事を祈る。
俺が無一郎達の邪魔をしたから…。


死ぬのは俺一人でいい。
罰でも何でも受けるから。
柄にもなく神様や仏様に願ってみた。


"最初で最期の願いです。
どうか叶えてください。"


そんなことを口に出し始めたら、無一郎が戻ってきた。
良かった。
生きている…。
ただひどい怪我をしている。
このままだと無一郎まで死んでしまい、絢蘭は本当に独りぼっちになってしまう。

それは避けたいから、無一郎にも聞こえるように願った。
そして無一郎の本当の名前の意味も。
だけど途中で意識を失ってしまったようだ。
一瞬焦ったが、無一郎が懸命に近くに来てくれたお陰で、息をしていることがわかり安心した。


だけどな無一郎。
どれだけ善良に生きていたって、神様も仏様も結局助けてくださらないから、俺がお前達を守らなければと思ったんだ。
優しくしてやれなくてごめんな。
いつも俺には余裕がなかった。
人に優しくできるのもやっぱり選ばれた人だけなんだよな。
だからこれかはお前らしく、誰かのために生きていって欲しい。
そして絢蘭をすぐ隣で守って欲しい。
そんなことを思いながら無一郎の手を握る。
そして最期の力で無一郎の手当てを頼んだのと同時に意識を失い、事切れた。

だけど、俺は死んでも地獄にも天国にも行かない。
無一郎が無事に手当てを受けてるのを確認し、絢蘭の心に入る。

何度でも言う。
神様も仏様も俺達を守ってくれなかった。
なら俺が守って見せる。
愛しい絢蘭との誓いを必ず守ってやる。
絢蘭が最期まで俺を守ってくれたように。
どんなものからも、さっきの鬼からだって守る。

罰でも何でも受けてやる。
但し絢蘭や無一郎をこれ以上傷つけさせることは許さない。
俺は絢蘭と呪い合い、魂は呪霊へと変わる。

















その呪いの名は"愛"













もっとも歪んだ呪いだ。

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