万華鏡の姫君1章 〜特級呪術師&最強柱〜【鬼滅】【呪術】
第6章 6章 砕けた硝子の意味
無一郎サイド
僕は、怒りから来る火事場の馬鹿力で、鬼をおもいっきり外へ突飛ばし後を追いかけた。
そして斧や木槌で狂ったように何度も何度も殴り続けた。
どれくらいそうしていたか分からない。
気付けば鬼にの頭は岩に潰され、胴体には木や仕事道具が刺さりまくっていた。
いつそんな状態にしたか記憶がない。
鬼は死にかけていた。
だけど頭が潰れても、死ねないらしく苦しんでいた。
まもなく朝日が昇り、鬼は塵になって消えた。
心底どうでもよかった。
早く有一郎達の所に行きたかったのに、突然体が鉛みたいに重くなって、目の前にある家まで随分時間が掛かってしまった。
家の前にいた黒い服を着た人たちに、何か言われた気がしたが、どうでもいい。
一刻も早く二人に会いたい。
無(…兄さん…。生きてる。絢蘭も無事だ…。兄さん…。)
兄さんが僕の気配を感じ取ったのかは分からないけど誰かに話始めた様子をみて少し安心する。
有「神…様。仏…様どうか…どうか弟達だけは助けて下さい…。弟は…俺と…違う…心の優しい……子です…。人の…役に…立ちたいと…いうのを…俺が…邪魔をした…。」
無(そんなことは…ないよ…兄さん…。兄さんは…弱い…僕を心配…してくれた。)
有「悪いのは…俺だけ…です。罰を当てるなら…俺だけに…してください……。」
無(僕だって…兄さんを…たくさん困ら…せたよ。お願いだから…独りで…責めないで。)
もう声すら出せない状態だったけど、兄さんに想いが通じるように重たい体を引きずり、兄さんの近くへ行った。
有「わかっていたんだ…本当は……。無一郎の…無は……。」
有「"____"の"無"なんだ。」
兄さんのその言葉を最後に僕は気を失った。
最期なんていったのか、はっきりわからなかった。
だけど、なんだか兄さんに認めて貰えたような気がして、心が暖かくなるのを感じながら完全に真っ暗な世界におちた。
この後僕や絢蘭、そして兄さんがあんな目に合うとは知らずに…。