万華鏡の姫君1章 〜特級呪術師&最強柱〜【鬼滅】【呪術】
第6章 6章 砕けた硝子の意味
鬼舞辻がここ来ていたのならこの鬼の異様な殺し方に納得したくねぇが理解できる。
鬼舞辻は唯一自らの血で、鬼を産み出す鬼だ。
人間に自らの血を注入し、死なずに生き残った者が鬼へと成り果ててしまう。
そして鬼共が鬼舞辻を襲ってこないように支配し、常に鬼に流れている鬼舞辻の細胞が監視しているようだ。
鬼が、鬼舞辻の名を口出しただけで、鬼の中の鬼舞辻の細胞が暴走し、鬼の細胞ごと殺しちまうというかなりのビビり糞野郎だ。
今回も、この鬼が鬼舞辻の気に障ることしたのか言ったのか知らねえが、そのせいで殺されたんだろう。
だから僅かだが異様に禍々しい気配がしたんだ。
だが、何故この少女達は無事なのだ?
兄が殺されなかったのは、無意味に自分の痕跡を残したくなかったのだろう。
この絢蘭という少女の先祖は、鬼舞辻がえらく執着していて、その先祖とこの少女は瓜二つだとか。
そのため鬼舞辻に拐われることを危惧していたのに何故だ?
今回はきまぐれで様子だけ確認したのか?
少女が目を冷ます気配がないから、無理やり眠らされたのだろう。
どっちにしろ、御館様の予知が外れることはない。
少なくても"今日は"拐われなかっただけだ。
一先ず、村の鬼を殲滅しながらもう一人の兄を探しだし、この二人を御館様の元へお連れするのが鮮明だろう。
結論が俺のなかで出たとき、爽籟がまいこんできた。
実「どうした爽籟!また鬼が増えたんじゃねェだろうなぁ?」
颯「ソウダ実弥。シカモ今度ハ下弦ノ弐ガ森ノ中ニ現レタ。宇随様ハ、マダ到着シテナイ。隊士達ノ元へ急ゲ。」
実「はあぁ?また下弦の鬼だと?どうせそれだけじゃねぇんだろうなぁ。はぁ…。ったくどんだけこの村に送り込めば気が済むんだよ塵屑野郎がよォ。つうか、宇随は何してやがるんだァ全く。まだ夜が明けねぇッ通のに。」
宇随が来てないことに苛立ちながら隠に指示を出す。
実「お前らァ。恐らくここには鬼は来ねェが、警戒は怠るな。俺が戻るまで餓鬼どもをしっかり警護しろ!すぐに戻る。爽籟案内しろォ。」
爽籟の案内のもと、再び隊士達の元へ急ぐ。
しかしこの時俺は気づかなかった。
俺のすぐ近くに、もう一人の兄、無一郎が一人で鬼と戦っていたことを。
…もし気がついていれば、あんな事にはならなかったはずだ。